上映中に劇場に何度も足を運ぼうと思ったもののことごとくタイミングが合わず、さいたま新都心、ウニクス上里と行きそびれ、最後には川越のミニシアターもターゲットにいれたものの大雪という巡り合わせの悪さ。
DVDがリリースされたことでやっと見ることができました。
実は、やっと登場したレンタルDVDも最初は全て貸出中で、2度めでようやく借りられるという実に長い道のりとなってしまいました。
□ 映画『凶悪』公式サイト
原作あまり読まない派の自分ですがこの作品に限っては原作から入りました。
実は原作はノンフィクション。全て真実の話なのですが、映画化にあたり結構脚色されているようでしたね。
賛否両論あるかもしれませんが、映画にした地点でノンフィクションはありえませんから、これは仕方ないといえば仕方ないと思います。
事件の部分は比較的真実にのっとっているようでしたが、それ以外の部分は結構脚色されているような感じでした。
冒頭に「この物語は実在の事件を元にしたフィクションである」と出てますので実際そうなんでしょうね。
ただし、このお話のベースは真実です。
しかも、 現在も法定にて争われている事件を含めた複数の事件が絡んできています。
実際の事件に関しては以下のサイトが詳しいです。
□ 宇都宮監禁殺人事件(事件史探求)
□ 【極悪詐欺師列伝】凶悪・三上静男 [1] 死刑囚が獄中から告発
一般的に「上申書殺人事件」という名で知れている事件が最も有名な事件ですがWikipediaには項目が作られていないようでした。
さて、話は映画に戻ります。
簡単にストーリーを話すと死刑囚、須藤純次(ピエール瀧)からの手紙に書かれていた3つの殺人事件を、記者である藤井修一(山田孝之)が調べていくというストーリー。
3つの事件全ての首謀者は未だ娑婆でのうのうと暮らしている不動産ブローカー木村孝雄(リリー・フランキー)であった。
と、おおよそは原作と同じなのですが、そこに特に老人問題が大きく絡んできているのが原作と違うと感じました。
まず、主人公の母親が痴呆症であるという点。
そして、これは実際の事件もそうだったのですが、借金まみれの老父を家族ぐるみで木村に殺人依頼するくだり。
また、その他の事件も多くが土地や財産を多く持っていながらも老い先短い老人たちがターゲットになっているという点。
この辺りに原作以上に焦点が当てられていたような気がしました。
死ぬしか価値の無い存在ってありえるんでしょうか?
ちょっと悲しくなってしまいましたね。
そういう意味で、原作とは違い、この映画の主題は老人問題なんじゃないかなぁなんてふうにも思いました。
そんな映画「凶悪」。
悪いリリー・フランキーさんも見ものですが老人問題に視点を合わせてみてみるのも一興。
もちろん、実際の事件と照らしあわせてみるというのもいいでしょう。
一度だけじゃなくてなんども観たくなるそんな映画「凶悪」 。好評レンタル中です!
ちなみにこの映画、R-15指定となっています。
もっとも、13歳のうちの娘なんか、怖くて見れないと言ってました。
そんなに怖いかなぁ。。