かたやGREEはこちらもゲーム系ソーシャルネットワーキングサービス「グリー(GREE)」を運営する会社。
どちらも、ゲーム系SNSを売りに大きくなっていった会社です。
さて、かつてはDeNA(モバゲータウン)が王者として君臨し、それをGREE(グリー)が追うというかたちの構造でした。
そのあたりは2009年5月に書いた以下の記事を参考に。
□ モバゲー>mixi≒GREE>ニコニコ動画 - ちほちゅう
ところが、球団を買収し勢いづくはずのDeNAが逆に失速しGREEに売上高で初の逆転を許してしまったのです。
□ 朝日新聞デジタル:DeNA、本業失速 売上高、グリーに初の逆転許す - ビジネス・経済
さて、素人ながらどうしてDeNA(モバゲータウン)はGREE(グリー)に逆転されたのか考えてみました。
以下、「モバゲー」と「グリー」と表記していきます。
会社名がサービス名になっていない
これは様々なサービスを立ち上げていく上で致し方ないことなのかもしれませんが、当初、ビジネスモデルとして第一に置けなかったソーシャルゲームが一番の稼ぎ頭になってしまったのがモバゲー。
一方でグリーは「これ!」と決めてスタートし、それが結実したという違いがあると思います。
当然ながら後者のほうがサービスの質や社員のモチベーションなどが高いでしょうね。
モバゲーは他サイトへの流出を極端に嫌う
以前記事にしたようにモバゲーは他サイトへのリンク一つも許しません。そこには広告ビジネスが背景にあるのでしょうが、あまりに厳格すぎるのも考え物。
一方でグリーはツイッター(Twitter)とも連携できたりと比較的他サイトへのリンクに対して緩やかなようです。
モバゲーの方がペナルティの基準が厳しい
こちらも過去に経験済み。他サイトのURL表記はもちろんのこと、真実の方は定かではないがなんと他社Webサービスのことを触れただけでペナルティをうけたという人も。
一方でグリーはそれほど厳しくないようです。
□ モバゲー、mixi、GREE、ペナルティや強制退会比較 出会いの作法 (参考)
ソーシャルゲームの元祖はグリー
ソーシャルゲームと一般のテレビゲームの一番の違いはユーザー同士のふれあいです。もともと、モバゲーは無料ゲームが楽しめるサイトとして始まりました。
そこにはソーシャルな機能はなかったと思います。(せいぜいハイスコアを争うくらい)
一方でグリーはソーシャルネットワーキングサービスとして始まっています。
その後、ソーシャルの機能を付加したゲームとして「釣りスタ」や「ドリランド」などが生まれました。
今でこそ、ソーシャルゲーム、ソーシャルゲームと騒がれていますが、その元祖はグリーの「釣りスタ」だったんじゃないかと思っています。
まとめると、どちらかといいうと利益追求型のモバゲーに対してユーザーに楽しいソーシャルゲームを提供したいグリーといった姿勢がの違いが感じられます。
また、時代背景も影響しているのでしょうが、まずはケータイサイトで天下をとってしまったモバゲー、かたやWebでmixi(ミクシィ)等と争いながら切磋琢磨してきたグリー。
そこに、ガッチガチのケータイからWebに近くオープンなスマホへという、モバイルサイトのビジネスモデルの大改革が襲いかかった。
結果、ガッチガチに固まっていたケータイ向けのビジネスモデルだったモバゲーはオープンで鍛えられてきたグリーのビジネスモデルに徐々に追いつかれてしまった。
利益追求だけではだめ、ユーザーに対していいものを提供していかなければならない。
どんな業種も同じことですね。
モバゲーのこれからの巻き返しに期待し、その手法に注目したいと思います。