たかだた5年前なんだけどもうすいぶん前の様な気がします。
ホリエモンこと堀江貴文氏が近鉄球団買収失敗、ニッポン放送株買占めによるフジテレビ買収失敗を経て衆議院の解散にともなう総選挙に出る前、一段落していたときに書いた本「僕が伝えたかったこと」をいまさら読んで見ました。
本書は非常に分かりやすく、そして、ホリエモンの言いたいことがよくわかる本でした。
そして、このときのホリエモンの考えはおそらく今も変わってないのでしょう。

僕が伝えたかったこと僕が伝えたかったこと
著者:堀江 貴文
販売元:マガジンハウス
発売日:2005-07-14
おすすめ度:4.0
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さっそく目次を引用させてもらいそれに沿って感想を述べたいと思います。
1章 メディアの未来予想図
インターネットがメディアを変える
テレビ局のサイトはポータル(玄関)になる
番組で紹介した商品をすぐにネットで売る
韓国ドラマに見る新しいドラマ作り
視聴者本位の番組作りがネット活用でできる
広告と娯楽が合体したアドバテインメント
ネットとの融合でラジオの未来も開ける
ネット配信がレコード会社の未来
ネットの普及で出版業界も変わり始めた
あなたのブログを本にします
漫画にもまだ可能性はある
深く刺さるニッチビジネスは確実に儲かる
冒頭でインターネットの特性として
  1. 必要なときに情報を取り出せる「オンデマンド」
  2. 見ている側から情報を発信することのできる「インタラクティブ(双方向性)」
  3. 大衆向けの「マス」とは違い少ないながらも確実に需要のある「ニッチ(隙間)」
を上げています。
実はこのフレーズ。僕もことあるごとに使わせていただいています。

他にも、レコード業界、出版業界の未来を予測しています。
レコード業界がここ5年ですっかり変わってしまったのはご存知のとおりです。
2章 M&A入門
株式会社は株主のもの
ライブドアが“魔女狩り”の標的にされた
日本人が株式投資をしない理由
五百円玉一個でライブドアの株が買える
M&Aはされる会社にも大きなメリットがある
現金はなくてもM&Aはできる
外国企業による三角合併が解禁される
M&Aの会計処理も実態に即したものに変わる
M&Aされた会社は消耗品という考え方はおかしい
M&Aに関してはアメリカ型の経済構造を力説しています。
「M&Aはされる会社にもメリットがある」のが日本型企業人には受け入れがたかったのでしょうね。
以前読んだラビバトラ氏の「2010年資本主義大爆裂!」が日本型の経済構造を賞賛していたのと対照的で面白かったです。
人はどうしてもないものねだりしてしまう生き物なのでしょうか?
3章 マネーへの道
貯金なんかしても意味がない
貯金を奨励するのは発展途上国の常套手段
「寝ないで働く」は自己満足
持ち家信仰はすでに幻想だ
家なんか持ってもいいことは何もない
人脈が重要だった時代は終わった
“情報力”があれば未来は読める
英語力は必要不可欠な能力ではない
現代のビジネスでもっとも大切なのはスピード
この章はホリエモンのお金を基準にした考え方(生き方)。
目の前のお金に振り回されている一般大衆とは違い、先を考えたお金の使い方を提唱しています。
「貯金」「寝ずに働く行為」「持ち家」「人脈」等をあまり意味がないと言っているのですがこのあたり、一般大衆からみたらやはり「ちょっと違うぞ」と思うところかもしれません。
個人的には納得できるところもかなりあったりするのですが。。
つまり、お金は動かさないと意味がない。
インターネットを駆使すれば今までの概念を超えたビジネスモデルが可能である。
そして最後にはスピードがものを言う。ということが言いたかったのではないでしょうか?

そんなホリエモンですから、逮捕、拘留されたのはとっても痛手だったでしょうね。
その時の話は「徹底抗戦」に詳しく書かれています。僕も読ませてもらいました

最後になりますが本書は成功者であるホリエモン(堀江貴文氏)を知る上で非常に役に立つ書です。
ただ、それがすべて正しいというわけではない。ということを心に留めておきましょう。