とんでも現場からこんにちは。
今回はカラーで受け取ったPDFファイルをモノクロで印刷する方法です。

出力時にコンポジットでモノクロにする方法もありますが、
それよりもAcrobatでモノクロに変換するほうが安全です。
さっそくですが手順を紹介します。


カラーからモノクロへ1. 該当のPDFファイルをAdobe社のAcrobat Professionalで開く。
2. メニューより「ツール」→「印刷工程」→「色を置換」を選択。
3. 変換後のカラースペースを「Dot Gain」か「Gray Gamma」にする。
  ここで何を選んだらいいか困るのですがそれについてはこのあと。
4. 「プロファイルを埋め込まない」と「黒のオブジェクトを維持」をチェック。
5. 「OK」をクリック。

以上です。

それでは、3.では何を選んだらいいのでしょうか?
つまりは見た目と経験なのだろうが見た目も当てにならないしそもそも経験がないのでネットで調べてみました。

Acrobatを使って印刷用PDFをラクラク出力する方法/第3回「カラーのPDFをグレースケールに変換する」|コラム|ぱぴっとタウン

こちらによると、CMYKのデータとRGBのデータでカラースペースを変えたほうが良さそうです。
では答え。
CMYKでは「Dot Gain 15%」
RGBではPDFに適用するRGBスペースにあわせ「Adobe RGB」「sRGB IEC61966-2.1」のとき「Gray Gamma 2.2」、「Apple RGB」のとき「Gray Gamma 1.8」を指定します。
見た目で選ぶなら「Gray Gamma 2.2」よりも「Gray Gamma 1.8」を選択したほうが色が淡くなります。
同じことが「Dot Gain」でも言え、数字が大きくなるほど薄く淡くなっていくようです。

なお、RGBで「Dot Gain 15%」を選んではダメな理由として
RGBのデータはもともとガンマ補正されているので、「Dot Gain 15%」を割り当てると、全体に濃度が高いカラーに変換されてしまい、シャドウ部が潰れ気味になってしまうからだそうです。
基本的には「Dot Gain 15%」でいくと覚えておけば問題ないでしょう。
さらに「プロファイルを埋め込まない」と「黒のオブジェクトを維持」はディフォルトでチェックしておいたほうが良いみたいです。

ちなみに本来の印刷用語である「Dot Gain(ドットゲイン)」とは印刷時におきるインク漏れによる網点の太りのことをいうそうです。
そこで、あらかじめ太りを計算して逆に細らせている?と考えると、パーセンテージのカラクリが見えてきます。
つまり、数値が小さい=印刷時のインクの漏れが多いとなり、
数値が大きいほど性能の良い印刷機向けということになります。
まとめると、パーセンテージが高いほうが色見は淡く薄くなり、高性能の印刷機向けとなる。ということです。

まあ、どれ選んでも綺麗に出てくれれば問題ないのでしょうが覚えておいても損はないと思います。

■参考にしたサイト
[9017][用語]【ドットゲイン】【Dot Gain】―(吉田印刷所)
第84回  ドットゲインの謎に迫る!?―(DTP-S - デジタルの夜は明けた -)
インクナブラ:DTPデザイナー・オペレータのためのAcrobat Proサクサク出力のコツ

■11月20日追記
Acrobat(アクロバット)のバージョンが9に上がって設定方法が少々変わりました。
まず「ツール」メニューにあった「印刷工程」が「アドバンスト」に移動しています。
さらに「色を置換」ウインドウが大幅に変わってます。以下にバージョン7のウインドウとバージョン9のウインドウを変換時の設定の状態にして紹介します。

色を置換ver7
Acrobat Professional 7

色を置換ver9
Acrobat 9 Pro
「カラーを出力インテントに変換」にチェック!!

アプリケーションの名前も微妙に変わってるみたいですね。

それから追加情報をひとつ。
もともとモノクロのマイクロソフト系のデータをグレースケール(K版のみ)にする場合は、
Dot Gain15%だと網の濃度が変わってしまうそうです。
その場合、30%にするとよいと言ってました。ご注意ください。