びっくりしました。
ウィークデーのお昼は某職業訓練校で講師をやらせていただいているのですが、そこに見知らぬ男から電話がかかってきました。
工藤」と名乗るその男、「闇金融業者」だと言っていました。


こちらとしては「寝耳に水」だったのですが、借金をした当人と連絡が取れず、自分の名前と会社名、会社の電話番号を告げられていたので電話をかけてきたとのこと。
「これって保証人ってこと? 一切、聞いてないんだけど?」と思いながらも話を聞いてみると、以下の様な状況だと説明を始めました。
  • 借りたお金は2万程度、利子がついて5万程度にふくれあがっている。
  • 返済期間は今日の14時だったのだが支払ってもらっていない。14時30分までは猶予を与える。
  • 要件はとにかくまずは当人と連絡を取りたいのでなんとかしてくれとのこと。
    「お前に払えとは言ってない。」とのこと。(言葉では確かに言ってなかった気がする)
  • で、もし、連絡も取れず振込みも確認できなければ15時00分から会社等に嫌がらせを始めるとのこと。
    「あんた、会社にいられなくなるよ」みたいな感じで言われました。(なんだそれ?)
実際、その親族には少し問題があって、過去に多くの借金を抱えていたことがあることと、
ある理由があって、今の会社及び連絡先を教えていたことがあったのであながち嘘であるとも思えない。
ただ、今日掛けてきて今日ってのも変な話だし、そもそも、2万くらいでそこまでやるか?
というのがあって、半信半疑ながらも授業もあったので最初の電話は切りました。

その際、先方とは時間を指定してまたかけてくるという約束をしました。
この時まではまあ、まだマシな対応でしたね。

なお、最初の電話の段階で事務の女の子は「工藤」っていう横柄な人から電話があったと言ってましたが、
実はこれもたまたまそういった友達がいたので気にもとめず電話に出ちゃってたんですねぇ。

まあ、結果的にはここで一度考える時間ができたのは良かったです。
この段階で次、電話がかかってきた時は録音しておこうという話になりました。
また、授業があったのでできませんでしたが、この段階でその親族に連絡をつけて事実確認をしておくべきだったと2回めの電話の後、反省しましたね。
ただ、先方の言うとおり、この段階ではおそらく電話は通じなかったと思います。

で、2度めの電話。
ここではまず、要件に応じなかった場合、先方は具体的にどういった行為を行うのかを聞くことにしました。
当然、録音はしています。
まあ、よく話してくれましたね。
「電話回線をパンクさせる。」「事務所に押しかける。」「実家の住所も割れているからご近所にも迷惑かけるだろうね。」などなど。
「へぇ。」と思いながら聞いていましたが一言、「それって犯罪じゃないですか?」と聞くと
「おうよ!俺たちゃ犯罪で食ってんだ!」とは言っていませんがそんなようなニュアンスの言葉を発していました。

まあ、ここまで話してもらったらもういいでしょう。
「事実関係を確認したいのでこの会話の内容は念のため録音させていただいています」と一言。
ここで悪怯れなかったのはまあ、プロの意地だったのかもしれません。
または、もう、犯罪者としての証拠を残してしまったので今さらというのもあったのかもしれませんね。
さらに脅しはヒートアップ。
親族の子どもの名前まで出して「売り飛ばすことも可能だ」なんて言い出す始末。
自分もむかついたので「あんた結婚してるの?」「子どもは?」などと応戦してしまったのはあまりよくなかったかもしれません。
結果としては「こちら側で事実を確認するまでは何をされても結構です。」という話をして2度めの電話も終わりました。

15時00分を少し過ぎて始まりました。

この時は事務の女の子が気をきかせてくれて自分は対応していません。
自分の受け持つ授業もだいたいこの時間で終わるというのもあり、まずは帰宅したと取り付いだようです。
ただ、「出せ出せ」と幼児のようにうるさいので、その後の電話は対応せず、受話器から聞こえる罵声をひたすら録音していたようです。
あとで聞かせてもらいましたが、どうも、一人で複数台のケータイを使って回線を埋めるという手法をとっているようですね。
小声で「なんだよ、1回線しかないのかよ。」といってました。
彼もたぶん大変なんでしょう。

その後もなんども電話がかかってくるので、ひとまず受話器を外して30分程度放置。
一段落した頃に受話器を置いてからは一切電話はかかってきていません。
「これはお金とれんな」と諦めたのかもしれません。

このとき、会社側として取った行動は
  • とにかくその件に関する電話に対しては完全に無視。
    (着信拒否設定ができればやっておく方がいい)
  • 念のため個人的に警察に行って相談しておくように。
の2点。

「警察に行っても動かないよ。」
という意見もありましたがこれはこれで正解だったと思います。
確かに、現状ではまだ動いてくれません。
ただし、動いてくれるという約束をして頂きました。
学校名や住所等をお伝えし、
「もし仮に押しかける事があったら110番ですぐ駆けつけます。」
と言って頂きました。(あたりまえのことなのかもしれませんが)
その時対応して頂いた女性巡査長(と勝手に判断)の方はまるで女神に感じましたね。

といったところでまとめます。

まずは、電話から債権回収詐欺であると判断するポイントです。
  • 時間を指定する。(15時から嫌がらせを始める。というように言う)
  • 会社にいられなくする。やめさせるよう脅しをかける。明日から仕事が無い。なとどいうことを言って煽る
  • 小額である(その気になればすぐ払える額である)
  • 名前が工藤w
特に小額であるというのはポイントだと思います。
実際、本人でもないのに会社に電話までかけて脅し始めるくらいですから、もし事実であればそんな小額なわけがない。
なのに小額っていうことは、払ってもらえる額だからだと思います。
払えるからって払っちゃいけません。
小額だったら「詐欺」と覚えておくといいでしょう。 

次にとっておくべき行動です。
  • 会話の録音(場合によっては音源が脅迫や業務妨害の証拠となります)
  • 先方の電話番号の確認(大概は身元がわからないようにプリペイド式のケータイを使用しているようです)
  • 念のため警察に行き事情説明
    (めったにないそうですが来られたとき110番ですぐ来てもらえるように約束してもらうと良いでしょう)
  • 以後無視(電話であれば着信拒否設定をする等)
特に重要なのは無視ですね。
録音した音源が脅迫や業務妨害の証拠となりえて、かつ、先方の連絡先や個人名等がはっきりしているのであればあえて連絡して一掃検挙なんてのも考えられますが、そういうのは警察に任せた方がいいでしょう。
そう考えると、こういうときにとった音源というのは積極的に共有していくのが世の為になっていく気がします。

以下、他のパターン(メール等)での対応も書かれているサイトへのリンクを貼っておきます。
□ 債権回収詐欺 FAQ

といったところでとりあえず嫌がらせの電話は来なくなったのですが、実は本質的な問題は別のところにあります。
その親族に、今の会社(学校)の情報を伝えたのがここ数ヶ月前(確か5月頃)。
それがなぜそういった輩に流れてしまったのか?

申し訳ないが彼はもう信用出来ないので、今後一切個人情報は伝えないようにするしかないですよねぇ。
っていっても、親族だからどうにもならん部分(実家住所等)もあったりするのですが。。