CSSには「position(ポジション)」というプロパティがあって、これを使って「position:absolute」と指定すると、
画面上の好きな場所にそのブロック要素を配置することができます。
ただし、自由に動かせすぎるだけに、注意しないとこういったことになりかねません。


まずはこちらをご覧ください。
absolute01

次にこちら。
absolute02

実はこれ、全く同じHTML及びCSSでできているレイアウトです。
「あいうえお」は「margin:auto」でセンタリングに、「かきくけこ」は「position:absolute」で自由な位置に配置しています。
違うのはウインドウのサイズだけで、ウインドウのサイズが変わるとレイアウトが変わってしまうのです。

具体的なソースは以下のようになっています。

□ HTML
<div id="soto"> あいうえお
  <div id="naka"> かきくけこ</div>
</div>

□ CSS
#soto {
width: 800px;
height: 800px;
background-color: #FF9;
margin: auto;
}
#naka {
width: 100px;
height: 100px;
background-color: #FCF;
position: absolute;
top: 200px;
left: 50px;
}

見てお分かりのように、「soto(あいうえお)」内に「naka(かきくけこ)」があるので通常は「soto」が動けば「naka」もそれにそって動かないといけないのですが、「naka」に「position:absolute」と書いてしまったがために、ウインドウを基準にした自由な位置に「naka」が配置されてしまっているのです。

さて、この場合はどうやって問題を解決したらいいのでしょうか?
ヒントは以前説明した「floatで高さ0になった親要素の高さを復活させる方法」です。
この時は親要素にも同じように「float:left」と書くことで解決しています。

今回の「position:absolute」も一緒です。
親要素(この場合「soto」)に対してpositionの設定をしてあげればOK。
ただし、今回は子要素と同じ「position:absolute」にしてはいけません。
「margin:auto」によるセンタリングを活かすには「position:relative」を書きます。

□ CSS
#soto {
width: 800px;
height: 800px;
background-color: #FF9;
margin: auto;
position:relative;
}
#naka {
width: 100px;
height: 100px;
background-color: #FCF;
position: absolute;
top: 200px;
left: 50px;
}

この書き方をすれば、仮に親要素(ここではsoto)を「float:right」にしてもそれこそ、「position:absolute」で絶対配置をしてもしっかり子要素(ここではnaka)が付いて回ります。
親要素に「position:absolute」を設定する場合は当然ながら「position:relative」は残す必要はありません。

といったところでまとめると
子要素に「position:absolute」を使う場合は親要素に「position:relative」を入れてあげる。
しっかり覚えておきましょう。 

ちなみに、過去に「センタリングさせるデザインで「absolute」が使えない」という記事を書いていますが視点が違うので再度あつかってみました。