一部ブロガーたちの間で紙談義が盛り上がっている様子。
その、元となっているのが以下の思い切った記事と思われる。
紙の本が100%亡くなると断言できる、たった一つの理由 - 今週の天牌
断言できる理由、それは紙の本が"印刷"という技術だからです。
これが「はてな」でたくさんのブックマークを得て多くのブロガーに飛び火したようだ。
僕もその一人

かわいい紙と布 素材集かわいい紙と布 素材集
著者:MdN Design
販売元:MdN
発売日:2008-11-21
おすすめ度:5.0
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反論する以前に紙なんてなくなるわけがないのだが、印刷といった技術に関してはなくなる可能性があると言う意味で間違っていない部分もある。
もっとも、広義の印刷がなくなることはなく、印刷技術の中に淘汰されていくものが出てくるだろうと言うこと。

まずは、紙がなくなるわけがないと思う理由。
普通に考えればわかる。ティッシュペーパーがなくなるわけがない。
ものを書くといった文化もなくならないだろう。したがってノートやメモ帳もなくならない。
ノートに物語を書けば立派な「紙の本」の出来上がりだ。
おそらく筆者は「印刷物」という意味で「紙の本」という言葉を用いているのだろうが、そのあたりをハッキリさせないで安易に「亡くなる」なんていうから燃えるのだ。

次に印刷技術の中で淘汰されていくものが出てくると思う理由。
これに関しては実際、すでになくなりつつあるものがあるというのが一番の理由。
「写真植字(写植)」は殆ど見かけなくなり、「フィルム」もなくなりつつある。
おそらく、このままでは「オフセット印刷」という技術は「オンデマンド印刷」という技術に取って代わるだろう。
つまり、通常「印刷」と呼ばれている技術がなくなるのだ。

でも、間違っても「紙の本」はなくならない。それは人間が手を使って文字を書き続ける限り間違いない。
ただし、「印刷と言う技術」の一部はなくなり、弾さんが言っているように、その上にあぐらをかいている者(たとえば我々印刷会社社員とか?)がなくなるのも間違いないだろう。

【その他のブロガーさんたちの見解】
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katsukinoboru.jp ? 紙の本は99%なくなりますよ。株式会社デジカル社長の見解)
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「紙の本は電子書籍に駆逐されない」と出版社CEO - ITmedia News

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