ビッグサイトでエスカレーター事故があったのは記憶に新しい。
僕も以下の記事でネタにしている。
ワンダーフェスティバルってなんだ〜?

で、そのときに最前列にいたという人がmixiで日記を書いている。
かつ、転載、引用OKということなのでさせていただく。
ここには、事件のほぼ真相が隠されていた。


[mixi] 岡田斗司夫さん | 証言;ビッグサイトのエスカレーター事故について(追記あり)
 今日(8月3日)の午前10時過ぎに東京ビッグサイトでのイベント「ワンダーフェスティバル」でエスカレーター事故がありました。
 僕はその問題のエスカレーター最前列に乗っていました。
 
 午前10時過ぎ、僕は1階のインフォメーションセンター前にいました。そこが取材者たちの「開場待ちブース」だったからです。「お待たせしました。開場します」のアナウンスがあって、4階へ向かう集団は整然と大エスカレーターに乗りました。
 集団が走らないため、ガードマンが先頭に乗って、その後ろに行儀よく2列になってエスカレーターに乗ったのです。上昇するエスカレーターから下を眺め、「へぇ、上から見るとこういう風景か」と周囲の人と言葉を交わしたので、エスカレーターに乗ってる人の様子ははっきり覚えています。「満員のエスカレーター」という言葉から連想するような混乱や無理な乗り方ではなく、本当に整然と静かにみんな乗っていました。
 これは会場配置によるものだと思います。1階には人気の企業ブースを集め、4階にはマニアックな造形者たちを集めてる配置のように思えました。なので、会場すぐでも4階へ向かう人はみんな落ち着いて、エスカレーターに乗りながらも1階の人波を他人事のように見下ろす余裕があったのです。
 僕たち先頭が4階まであと少し、一階分足らずに達したとき、突然ガッガッガッ、ギリギリギリ、ギギギギギギギという嫌な音が脚の下から響きました。なにやら絶対に普通じゃないことが起きている。そう直感させる音でした。
 順調に昇っていたエスカレーターは突然動きを狂わせ、つっかえつっかえしながら動きます。
 「こういう時は走ったり動いたりしない方がいい」
 そう思って手すりを握っていたけど、次の瞬間、信じられないことにエスカレーターは後ろに進み出しました。それも「間違って下降モードに入った」という滑らかな動きではありません。足下からはジャリジャリジャリ!という嫌な金属音が響き、あきらかに「このエスカレーターの歯車とかのメカ部分が壊れて、人の重みで逆流してるんだ!」と思わせるような、エスカレータとしてはあり得ないような速度で後進し始めたのです。
 すぐに最前列のガードマンが、エスカレーターを駆け上りはじめました。「危ないかな?」と一瞬考えましたが、もっと恐ろしいことに思い至りました。
 逆流しているエスカレーターというのは、人間ベルトコンベアと同じです。後ろ向きにベルトコンベアで送られたら、地面についたときに転んでしまうに違いない。逆流するエスカレーターはあっというまに怪我人の山を作り、その上にさらに人を積み上げるかもしれない。
 たぶん0.5秒ぐらい考えていたと思います。僕は必死でガードマンの後を追って、エスカレーターを駆け上りました。しかし逆流の速度は速く、駆け上ってもその場にとどまることもできません。エスカレーターの歯車というか機械部分、メカニックは完全に空転しています。足下からすでにギヤの噛み合う音すら聞こえなくなりました。
 しかし、数秒後、エスカレーターは逆流をやめ、ためらいながら停止し、やがて上昇しはじめました。不規則な動きですが、これ以上の逆流はなさそうです。歯車の噛み合う感触も、不安定ながら感じました。
 これは部外者であり、エスカレーターについて何も知識のない僕の想像ですが、おそらくエスカレーターの機構部には安全装置があるのでしょう。回転が速くなりすぎたときに働く機構、ある種の遠心クラッチのような安全装置が作動したんじゃないかな、とその時に思いました。
 ということは、エスカレーターはいま上昇していても直ったわけじゃない。後続の人たちも駆け上ってるはずだから、流れを止めないようにとにかく4階まで昇ろう。
 ほとんど最上部近くまで昇っていた僕たち最前列は、たぶん真ん中あたりまで逆流で戻されたような気がします。必死でエスカレーターを駆け上り、なんとか4階にたどり着きました。
 
 僕が今回の事故について知っているのは、以上です。
 わかっていただきたいのは、今回の事故はイベント運営者やお客たちのせいではない、ということです。
 会場当時の「走らないで」「ゆっくり順序よく行動して」というアナウンスは徹底していました。また僕たち参加者やお客さんたちも、アナウンスを守り、普通のサラリーマンの人よりもずっと行儀よくエスカレーターに乗っていました。事故が起こるまで、みんなエスカレーターの手すりを持って動かなかった。混み合ってもいなかったし、人を押しのけて歩いて昇降する人もいませんでした。通勤ラッシュや歳末のデパートなんかでは、もっとひどい光景を目にするけど、比べものにならないほど静かでおとなしかったんです。
 
 どうしてそう言い切れるかって?だって僕は最前列から下を見下ろしていたんだから。階下の人波に比べて、エスカレーターにはまったく動きがなかったのをこの目で見ているわけです。
 だから、今回の事故は完全に機械が原因だと言い切れます。メンテナンスの問題なのかエスカレーター自体の寿命なのか、それは今後の調査で明らかになるでしょう。
 
 こういう事故が起こるとかならず、「マニアたちがお宝めがけて殺到したので大混雑して、そのせいで事故が起きた」と言う人が現れます。
 それはウソです。
 僕はその場にいたので、はっきり言います。会場のマニアたちは、事故が起こるまでは誰もエスカレーターで走ったり騒いだりしていませんでした。
 イベント主催者も、安全に関してはくどいほどアナウンスを重ねていました。開場時、すべてのお客さんたちの移動の先端にはかならずガードマンか移動担当のスタッフがいました。みんなを走らせないためです。そのせいで、本当に静かに会場できたのを見ました。
 
 ニュース関係者の方たちには、予断や偏見なく今回の件を伝えていただけることを望みます。
 繰り返しますが、今回の件は「機械、または機械の整備」の問題です。
 定員以上の使い方はしてませんでした。
 誰も走ったり、「お宝めがけて殺到」なんてしていません。

 以上、きちんと取材して伝えていただけることを望みます。
 
 岡田斗司夫

追記:
 この日記はリンクであれ引用・転載であれご自由に。
 また、僕と同じく事故現場にいた人は、できればブログに体験談や事実関係を書いていただきたいです。
 これからおそらく、見当外れの魔女狩りのような責任者捜しがはじまるかもしれません。
 そして、そういう時に有効なのは、過剰で感情的なマスコミ批判ではありません。事実関係をはっきりさせること。現場の正確な状況を「誰にでもわかるように」再現することこそが大事なのです。
 そのために必要なのが「複数による証言」なのです。
 「きっとマニアがお宝目指して暴走したからだ」「きっと主催者が対策を何も講じてなかったからだ」という根拠のない決めつけではなく、きちんとした証言を集めることがなにより大事だと思います。

追記2:
下り側のエスカレーターから見ていた人の証言です。
事故が起きるまでは、「1ステップに3人以上などの過剰な乗り方」はしていないことがわかる、貴重な証言です。
ワンステップに3人乗ってたとかって言ってるけど上から降りてくる人、状況わかんなくって下から上がろうとする人で3人乗っかっちゃったって状況が出来上がった訳で初めから3人乗ってた訳ではないんです。
とかくオタクイベントなんで、とやかく言う輩が多いのは判ってますが真実は1つです。
「異常な乗り方はしていません!!!!」
みんなイイ子に乗ってました。

追記3:
下り側からの証言、もうひとつありました。
「当時、エスカレーターの各ステップの多くに3人以上の客が乗っていたことが、警視庁東京湾岸署の調べでわかった」
 俺は下りエスカレーターから事故の瞬間を見てたけど、みんなきちんと2列に並んで乗ってたんだぞ。
そりゃあ確かに、はやる気持ちから3人乗ってたとこもあったかもしれない。
でもこの事故瞬間の写真を見て欲しい。
どうみてもこのエスカレーターには3人が並べるスペースはない。

さらに追記:
もう一人、やはり下り側から見ていた人の証言です。
横から見てただけで全員見た訳じゃないけどさ・・・・・ほとんどの段に3人乗ってたなんて事、無いんだよね。
もしかしたらどっかに3人乗ってるとこはあったかもしれないけど、倒れて身動きできなくなった人たちが1段に横詰めでぎゅうぎゅう乗ったりは、してなかった。
コメント欄に、さらにもうひとつ証言があります。
わかりやすく一部強調してみました。
だれもワンステップに3人も乗っていないし、普通にじっとしていただけだったというのが真実のようです。
つまり、以下のようなワンステップに3、4人乗っていたという報道は嘘で、
悪いのはエスカレーター会社側。もしくはビッグサイト側ってことになります。

エスカレーター事故 主催者側乗員制限せず 1段4人も(朝日新聞) - goo ニュース(本家朝日の記事はすでに削除)
事故機はステップ1段に3〜4人が乗る過密状態となり、急停止した後、下に動いたとみられる。
【エスカレーター事故】乗りすぎが原因か 1ステップに3人 - MSN産経ニュース
 事故を起こしたエスカレーターには1ステップに3人もの人が乗っていたとされることから、国交省では製品の設計を超えた重さがエスカレーターにかかり急停止した可能性もあるとして適正運行の徹底を通知した。
すみません。僕も報道を信じてました。
しかし、好きな人は好きなんですねぇ。エスカレーターを壊してしまうほどに。

ネットゲリラ: コミケが中止になる!?
岡田斗司夫 - Wikipedia

■29日追記
コメントを頂いたので、再度、上記岡田斗司夫氏のmixi日記をコメントを中心に読んでみた。
 今回コメントしたのは、僕も同じエスカレーターに乗りあわせていたからです。たぶん岡田さんのいた場所からワンフロア分くらい後でしょうか。
 自分は下の方に流されていって、横に転がるように脱出して難を逃れたのですが、まさに将棋倒し寸前でした。
 自分の日記にも書いたのですが、少なくとも僕の周囲では誰も走ったりはしていませんでした。先頭の状況はわからなかったのですが、岡田さんの日記で詳細を知ることができました。
私もエスカレーターに乗っていました。
ちょうど上りはじめでのところで何とか脱出しましたが足に軽く?怪我をしました。
確かにあれは機械的故障だと私も思います。
自分も今回、怪我をした一人です
確かに皆静かに乗り、駆け上がる人は居なかったように思います
でも、明らかに1ステップに3人は負荷の掛かりすぎる乗せ方だったのでは? と思います
私も今回怪我をして病院に救急車で搬送された一人ですが。
エスカレーター事故ではなく
その直前位にディーラー証を下げた人がいきなり突進してきて
突き飛ばされ、後頭部を床に強打したのが原因です。
その直後意識が朦朧としながらも『もの凄く大きい音』が聞こえたのがエスカレーター事故の物だと思います。
岡田さんの4,5段くらい下にいたものです。
ちょうど自分の上の人までがこらえて立っていて、自分は後ろの人に覆い被されれてころび、怪我をしました。
しかし、まだ混乱してるときに上の人がだまって手をさしのべ立たせてくれたのでなんとか立ち上がったら上の人が上っていくのがみえたので、ハッ!として自分も急いでのぼりました
周りの人の冷静さと判断はすばらしかったと思います。
自分は下りエスカレーターに乗っていましたが、一段に3人以上乗っているような状況では
なかったと思いますが・・・
 自分も、自分の周辺以外は見ていませんが、それほど詰め込まれていた感覚はありませんでした。満員ではありましたが、ラッシュ時の電車のごとく周囲の人間同士が体を密着させてまではいませんでした。
 仮に、間を縫って上がろうとするような不心得者がいたとしても、せいぜい1〜2段上がれるかどうか。なので、自分の周囲の人間には誰もそういう人間はいませんでした。
ウチの日記にも書いたのですが,トラブルが発生したのは【僕たち先頭が4階まであと少し、一階分足らずに達したとき】だそうですから
■84段のうち3/4に二人ずつ60kgの大人が乗っていたと仮定すると
84段×(3/4)×2人×60kg
=63段×2人×60kg
=126人×60kg
=7560kg
=7.56t
7.5tで緊急停止が発生するというメーカーの説明に合致しますね.一部のマスコミが書くように,一段辺り,3〜4人も乗っていたと言うのは考えにくいです.
日本エレベーター協会のよくある質問より
http://www.n-elekyo.or.jp/other/faq.html#esc_5
>Q.エスカレーターに定員はないの?
>A.全てのステップに乗客を乗せた状態(満員)が定員です。
某所に鮮明な映像がアップロードされていました。
http://www2.axfc.net/uploader/Al/so/3716&key=nhk
どう見てもエスカレータに殺到していますし乗り込みすぎています。

3人乗っていたと限定してしまっている方もいます。
おそらく3人乗っていたところもあったのかもしれません。
それよりも、エスカレーターに定員はないという日本エレベーター協会と、
3/4に二人ずつ60kg乗ると緊急停止が発生するというエスカレーターの構造の方が問題。
つまり、物理的に不可能なエスカレーターだったということになりますが。。
どうなんでしょうか?

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227)

いつまでもデブでいたくない